宮司のご挨拶

謹賀新年


迎えた干支は「亥」。
「猪突猛進」、「猪武者」などの言葉に表されるように、向こう見ずに突き進む様子をイメージさせるイノシシ。
でも、そんな力強く素早い動きから、神仏のお使いともされるイノシシ。
祀られる神仏からの由縁から狛犬ならぬ「イノシシ像」が置かれる社寺も各地に見られます。

イノシシは多産の為、稔り豊かな収穫を象徴する動物としても知られ、
当社では秋季大祭を初亥祭と呼び十月初亥の日に斎行し、この日には亥の子餅を供えて五穀豊穣を感謝します。

皆様は「猪目(いのめ)」という言葉をご存知でしょうか。
社寺建築には様々な装飾が施されますが、
屋根下に取り付けられる「懸魚(げきょ)」という飾り板に、この「猪目」が彫られている事が多く見られます。
「猪目」とは💛の形の事です。
力強さから神仏のお使いともなるイノシシの目の形をかたどる事で魔除けの印としたのです。

「ハート」=「猪目」。
外国文化が多く入ってくると外来語が定着します。猪目と言う言葉も忘れかけられています。
外から何かが伝わってくることで何かが変わってしまう昨今。
古き良き伝統ある言葉を忘れることなく受け継いでゆきたいものです。

 

平成三十一年一月一日
江島神社 宮司 相原圀彦