宮司のご挨拶

江の島に春を見つけに

春は名のみの風の寒さや

立春も過ぎ、暦の上では春を迎えましたが厳しい寒さが続いています。
それでも境内の梅は馥郁たる香りを漂わせ始めました。
気の早い話ですが、桜の木でさえも徐々に蕾の形を整えて来ているように感じます。
春の訪れを感じさせる事象を探すことも楽しい事です。

さて、三月十日(土)、十一日(日)の両日に亘り「第35回湘南江の島春まつり」が開催されます。

島内全域で様々な催し物が企画されていますが、十一日には貝祭が斎行されます。
当地特産のハマグリを始めとする貝の生産に感謝するとともに、美味しく頂いているその命を慰霊する祭典です。
貝祭が貝供養神事とも呼ばれるゆえんです。

社殿に於ける神事の後、きらびやかな装束をまとった愛らしいお稚児さんたちが島内を練り歩き、ハマグリの稚貝を海へと放生します。
この祭事の頃もまだ寒いのですが、元気なお稚児さんの姿に心が和みます。

冒頭は唱歌「早春賦」の一節ですが、最後にこう続きます。

春と聞かねば知らでありしを
聞けば急かるる胸の思いを

春の兆しを探しに江の島へお越しになりませんか。
皆様のご来島、ご参拝をお待ちしております。

平成三十年二月十八日
江島神社宮司 相原圀彦