宮司のご挨拶

初巳例大祭にむけて

20150222

ご神域の梅の花がかぐわしい頃となりました。
今年のお正月も大変賑やかな境内でした。
長い参道の石段を踏みしめて社頭に至るまでの間、皆様は何を思われるのでしょう。整然としたその姿は大神様に通じ、ご守護を戴けるものと信じてやみません。

さて、神社では節分の行事を終え立春参拝も落ち着き、いよいよ四月の初巳例大祭の諸準備に取りかかりました。初巳の御祭礼は、御創建以来の一歳両度の祭祀として、秋の初亥大祭と共に大変意義深い御祭礼です。

御鎮座より千四百六十三年の永きに亘り護り継がれてきたと言うことは、誠に尊いことであります。先人が残した信仰の足跡を顧みるとき、改めてその有り難さを思わずにはおれませんが、この「信仰」という心の中の産物は、時としてその見方を誤ると、悲しいかな、人の道を逸脱させてしまう物なのです。
外国に於ける宗教の名を用いての野蛮な行為を見るにつけ、宗教者として無念でなりません。

神道の持つ浄明正直(じょうみょうしょうじき)の心の在り方は、どの宗教にも相通じる普遍の精神でしょう。その心は必ず人生の意義を深めてくれる物と確信しています。

今年の初巳例大祭は四月十一日に斎行されます。
春色に彩られた社前に集い祈りを込める時、穢れなく咲き匂う桜の如く、世の人々の心が真に浄くなりますよう念じたいと思います。

平成二十七年二月二十二日
江島神社宮司 相原圀彦