羊致清和
明けましておめでとうございます。
「うららかに朝日にほひて野も山ものどかなる世の年たちにけり」(明治天皇御製)
古来より蓬莱ヶ島と称えられた江の島から清々しい初日の出を拝する時、新しい一年の平安を祈らずにはおれません。
迎えました平成二十七年は未歳でありますが、古来より人との関わりが深い羊は、吉祥動物の一つです。同じ行動を取って大勢で暮らす事から、「群」の漢字は“羊”を取り入れて作られています。群れをなす羊は家族の安泰を表すとされ、さらには、「羊致清和」の言葉が示すように、天下泰平をもたらすと言い伝えられています。
3.11以来、家族の絆の大切さが再確認されています。社会を構成する最も重要な家庭の幸せこそが、世の中の平和につながるのではないでしょうか。
江島神社では毎朝の御日供祭で国の平安と世界の共存共栄をお祈りしていますが、穏やかな羊の、協調して和を尊ぶが如くの姿に重ね合わせその祈りを続けて参る所存です。
江の島は春夏秋冬、それぞれの陽光、太平洋から寄せる波涛、そして時に打ちつける雨や風までも、自然を身近に感じる事の出来る神域です。折々に見せるその姿から英気を養い、大神様のご加護を頂戴する事が江の島詣の有難さです。
どうぞ、この一年も皆様お揃いでのご来島、ご参拝を心よりお待ち申し上げておりま
す。
平成二十七年一月一日
江島神社宮司 相原圀彦